実践事例を見る(37)
 「総合的な学習らんど」のWEB上に紹介している学校のリンク先をたどりました。
学校名 寄島町立寄島小学校
所在地 〒714-0101 岡山県浅口郡寄島町16089番地の2
URL http://www.yorishima-e.ed.jp/
電話 電話:086554-2035Fax:086554-2036
学年 3,4,5,6年
テーマ
自ら学ぶ子どもの育成
カテゴリー 国際理解、情報、環境、福祉、生命・健康、職業・進路、自己、学校生活

 平成10年から平成15年までの実践が継続的に公開されていましたので、取り上げました。幅広いカテゴリーを設定しておいて、その中から選択し学びを展開するように計画されています。
 何でもありという手軽さは、一つのテーマに沿って相互に関連づけながら展開していくことでやりやすくなるというよさがあります。しかし、一つ間違えば、単発的な活動を組み入れて、ばらばらの網羅的な取り組みになりやすいという欠点もあります。
 そこで、指導していく先生方の基本線をかためておくことが大切になるわけです。寄島小では次のように総合的な学習の時間をとらえるという考え方が明確に示されていました。

 本校では、総合的な学習を生き方の学習と考えている。子どもが自分たちの夢や願いを実現しようとする活動の過程で生まれてくる問題を主体的に解決していく中で、様々な社会的課題に出会い、より望ましい生き方を考えていくことができると捉えている。

 「生き方」〜職業・進路という流れの中から、職場体験学習が6年生で継続されています。職場体験は中学校でされるから敬遠しておこうという考え方もあるでしょうが、成長段階で繰り返しその機会を得ることは大切だと思います。2番煎じになるかどうかは、一人ひとりの学びの過程をきちんと次に送っていくことで解消されます。
 先生方は2〜4週間ほど教育実習を必ず経験してきておられると思います。そのことを振り返っていただければ、繰り返すことの意味は理解していただけると思います。職場体験とは比較にならないほど長い期間ですが、それでも先生という仕事の一部しか経験できません。
 仕事の内容を経験することが目的ではなく、仕事を理解し、興味関心と人間関係を作っていくことの大切さを学び取るようにしていけば、職場体験は学びの機会が多い取り組みになるでしょう。

 総合的な学習が軌道に乗るかどうかの分かれ道は、先生と子どもたちが計画的に中身を位置づけていく作業をするかしないかにかかわってきます。先生が主導しすぎると子どもたちは先生に頼るようになってしまい、先生が子どもたちに任せすぎると位置づけが曖昧になってばらばらの取り組みになります。
 時間の削減が教育課程審議会などで取り沙汰されているものの、まず、総合的な学習をしてよかったと言える、子どもたちを育てることが先生の使命になると私は考えています。このことは、総合的な学習の時間に限りません。算数でも国語でも、勉強してよかった、算数や国語が好きになった、とつぶやく子どもたちの姿を思い描いて、日々の実践に力を入れておられると思います。