実践事例を見る(28)
 「総合的な学習らんど」のWEB上に紹介している学校のリンク先をたどりました。
学校名 多度町立多度中小学校
所在地 〒511-0105 三重県桑名郡多度町小山2060番地
URL http://www.town.tado.mie.jp/tadonaka/
電話 TEL:0594-48-2017 FAX:0594-48-6004
学年 3,4,5,6学年
テーマ
人を大切にする子どもたち(人権総合学習)
カテゴリー 福祉、ボランティア、労働、郷土、自分史、進路

 人権総合学習の実践については、地道な積み上げの中で総合的な学習の時間に再編成している場合が多いと思います。一過性の研究指定や校内研究で焦点化したというようなきっかけですと、継続的に構築していくことはなかなか期待できません。もちろん、優れた実践が必ずWEB上に紹介されているとは限りませんから、どのような形態で公開されているか注目しておかないと、優れた実践に出会うことは少ないでしょう。
 多度中小学校の基本的なとらえ方を以下に引用しておきます。

これまで、本校では人権・同和教育を推進してきました。しかしながら、ややもすると知識注入式の授業が中心であったり、「仲間づくり」のみに終わっていたりといった弱さが見られました。そこで、本校のすべての教育活動を点検しながら、ある特定の部分だけで、人権を語ったり、学習したりするのではなく、日々生活している学校の総体が人権認識に貫かれているか、中心的な取り組みとして、何を各学年が設定するのかを話し合いました。折しも、模索をしていた頃、全同教研究大会社会認識分科会で報告された大阪府松原市立布忍小学校の実践に出会い、そこで多くのことを学びました。そして、多度中小学校の児童や地域の実態をふまえ、取り組もうとしています。本校では、総合学習を「わくわく」と称し、各学年が「人」「郷土」「自然」の視点をふまえて、「ふれあう」「見つける」「さぐる」「生かす」の学習過程を通して、人を大切にする子供たちを育てていこうと取り組んでいます。

 1999年度の実践が紹介されています。その後は・・・謎です。
 引用したとらえ方がどのように実践の中に織り込まれているかは、中身を閲覧していただければお分かりになると思います。
 個々の実践を人権尊重の考えが貫くというという考え方は、取り立てて人権総合学習と銘打たなくとも要求されることです。つまり、同じ体験活動をしても、人権尊重の考え方を学ぶ場が仕組まれていなければ、体験活動をしただけです。考え方を学ぶ場面は、体験や活動をしただけでは発生しにくいことですから、意図的に先生が仕組んでいく必要があります。疎外されている、あるいは差別されている人の立場に立って考えるということは、自分が置かれている立場を振り返って接点を見つけていく学びです。先生の謙虚な見抜く力、見逃さない力が人権総合学習の原動力になると考えます。

 人権は、テーマが何であっても必ずつきまとってきます。しかし、意識が醸成されていない段階では、意図的に考え方を学ぶことが大切だと私は考えています。こうした土台作りをすることで、見抜く力も、見逃さない力も育っていくと思うのです。
 例えば、男女混合名簿を取り入れているから、ジェンダーフリーを実践しているというのはおかしな理屈になります。ジェンダーフリーの考え方を学んでいく過程で男女別名簿に合理性は見いだせなかったから、変えましたという理屈ならすんなり理解できる私です。皆さんはいかがでしょうか?