実践事例を見る(27)
 「総合的な学習らんど」のWEB上に紹介している学校のリンク先をたどりました。
学校名 東浦町立卯ノ里小学校
所在地 〒470-2102 愛知県知多郡東浦町大字緒川字雁狭間山18
URL http://www.medias.ne.jp/~hunoshot/index.htm
電話 TEL:0562(34)7977 FAX:0562(34)3045
学年 3,4,5,6学年
テーマ
「共に生きる」「うのさとタイム」「学年関連活動」
カテゴリー 地域、高齢者理解、福祉、労働、生き方

 10数年前の研究発表会で訪れた学校です。178-(25)で紹介した池田小学校と基本的に同じ系譜をたどっています。長期の研究の積み上げは注目に値しますので、ちょうど訪問したころから現在までの部分を以下に引用します。

第3期【平成元年〜平成5年】
  学習指導要領の移行から実施に向けての研究推進の充実を図る。
 〜研究テーマ「主体的に学ぶ子供の育成をめざして」〜
・「生活科」実施に向けての「なかよし学習」の実践と評価
・「総合学習」の開発と実践(後に「問題解決学習」と改名)
・5年間の研究のまとめ『学習の多様化とティームティーチング』発行
・「教職員配置改善計画」に基づく少人数加配教師の配置によるTTの指導法の研究
第4期【平成6年〜平成9年】
  問題解決学習の方法を取り入れた総合学習・自由活動・集団活動の研究実践を図る。
 〜研究テーマ「人間性豊かで、主体的に学ぶ子どもの育成」〜
・総合学習「共に生きる」の単元開発と指導方法の工夫
・児童一人一人に応じた指導「個人差への対応」と基礎的基本的な学習指導の充実
第5期【平成10年〜現在】
  「生きる力」を育むための「育てたい力」の確立と、「個と集団」「問題解決」「基礎基本」の3つの研究課題を 柱とした学習の確立を目指す。
 〜研究テーマ「人間性豊かで、主体的に学ぶ子どもの育成」〜
・「合科学習」の単元開発と指導方法の工夫
・「うのさとタイム(自由活動・ふるさと活動・特別講座・基礎講座)」の総合学習への導入
・ドリル学習の充実(朝のドリルタイム活用)
・「学年関連活動」の総合学習への導入と活動内容の検討
・評価規準にもとづく観点別評価と自己評価力の育成をめざしたポートフォリオの活用
・「評価における客観性と主体性の結合」に関する研究実践に着手

 今、学校現場に求められている教育課題を見据えて以前から取り組まれているということがよくお分かりいただけると思います。ただし、愛知県下の中では異色の存在で、お隣の緒川小学校とともに、学校の特色を創り上げています。
 オープンスクールは本来アメリカで実践されてきた地域開放型の学校経営を意味しています。開かれた学校を意図して、地域公開の意味で使われている場合と区別してとらえていただきたいところです。オープンスクールという言い方は、先ほどの池田小ほど前面に出されていません。しかし、地域の人材を活用し、地域に学ぶ流れの中で、地域開放型の実践が入っているようです。
 何よりも優れている点は、研究テーマに掲げた「主体的」という言葉が実践されている先生方に浸透して、主体的な学びの創造が進められていることです。「主体的」という言葉は身軽によく使われますが、実践が伴うところまで高めるには、一人ひとりの先生の指導力があってこそ可能になります。そして、組織的に実践を進める推進者、オピニオンリーダーの存在も重要だと思います。