実践事例を見る(26)
 「総合的な学習らんど」のWEB上に紹介している学校のリンク先をたどりました。
学校名 南伊豆町立竹麻小学校
所在地 静岡県賀茂郡南伊豆町湊243番地(〒415-0152)
URL http://www.i-younet.ne.jp/~chikuma/
電話 TEL:0558-62-0303 FAX:0558-62-2955
学年 3,4,5,6学年
テーマ
3学年「じまん!この場所、こんな人!!」
4学年「いのちの源!!〜水探検」
5学年「竹麻の観光業パワーアップ作戦」
6学年「提案!災害(地震・津波)に強いふるさと改造計画」
カテゴリー 地域、環境、産業、町づくり

 リンク切れの多い静岡県でしたが、平成15年度の取り組みがきちんとまとまっているページにやっと巡り合わせホッとさせられました。ようやく全国の半分を閲覧したところですが、移行前に何とかやってみましたという印象を強く持っています。
 さて、テーマを見て予想していただけると思いますが、地域に根ざした素材を掘り起こして実践されています。町づくりの提案に観光と防災を取り上げているところが特徴的です。さらに、教科の学習との関連が実践の紹介に明示されている点は注目に値します。

 町づくりをテーマに絞り込んで学びの素材を投げかけていく場合、課題をつかむための問題提示が多方面にわたるという難しさがあります。先生が精選して示すことで、絞り込む難しさは軽減されますが、設定した軌道に沿いすぎる難点も出てきます。
 竹麻小の実践では、行政機関とのつながりが乏しいような気がしました。調べ学習を進める過程で地域に生活する人々だけでなく、行政とかかわる人々との交流が入ると、地域の願い、地域に暮らす人の願いがどのようにつながっていくかが見えてくると思います。言い換えると、子どもたちが思いつく提案が架空のものではいけないというところに行きつくわけです。一面的な見方でなく、人と人のかかわりを様々な角度からとらえることが大切で、そうした社会の仕組みを学ぶことは、中学年社会科から培っていますから、振り返りの場を生かしたいところです。
 町づくりをテーマにしたとき、もう一つ大切にしておきたいことがあります。それは、前年の成果を土台にして、取り組みを検証しながら、新たな課題を子どもたちがつかんでいくことです。深める、広げるという学びのプロセスは、1年間の流れで完結することなく、先輩が取り組んだことをより現実的なものにしていく営みも含んでいます。
 例えば、地域の観光業をPRする取り組みが、その後どのように影響を与えたのかという投げかけをしてみるのです。先生が、PRのためのパンフレットを完成させたら終わりではないという考えを継承していけば、実践が継続され、積み上げられるのではないかと思います。WEB上に紹介された竹麻小の実践のまとめ方は、このような取り組みに有効に活用できる優れた方法になるでしょう。