実践事例を見る(23)
 「総合的な学習らんど」のWEB上に紹介している学校のリンク先をたどりました。
学校名 市川小学校
所在地 山梨県西八代郡 市川大門町5744
URL http://www.ichikawa-sho.ed.jp/indexright.htm
電話 TEL:055-272-2100 FAX:055-272-1773
学年 4,5学年
テーマ
「富士山大研究」「花火大研究」
カテゴリー 地域、伝統産業

 地域の特性を生かしたテーマ学習が公開されていましたので取り上げました。富士山の方は単発的な取り組みなのか、その後継続して深めたものがあるのかは不明です。6年生3学級が取り組んだものをWeb用にまとめたのではないかと思います。以下のような見出しがありましたので引用します。

「富士山大研究」
1 富士山その成り立ち
2 富士山の気象
3 富士山の洞穴
4 富士山の植物
5 富士山の動物と虫
6 富士山と芸術
7 富士登山とそのまわり
8 富士山に伝わる伝説
9 各地の富士山
10 新倉掘抜


 もう一つの花火は5年生3学級による2003年の実践と明記されていましたので、同じく見出しを引用します。

「花火大研究」
1 花火のれきし
2 花火の材料
3 星の作り方
4 花火の作り方
5 花火の種類(1)
6 花火の種類(2)
7 神明の花火大会新聞
「市川の花火PR大作戦」
ア おもちゃ花火の種類
イ おもちゃ花火の生産地
ウ 花火の歴史
エ 今の花火と昔の花火
オ 外国の花火の種類
カ 花火の作り方
キ 花火に使う火薬
ク 打ち上げ花火の種類
ケ 全国の花火大会
コ 山梨県の花火大会
サ 花火工場の数
シ 花火に生産量・摩利支天
ス 花火の仕組み
セ 花火の大きさ
ソ 花火の色の出し方
タ 打ち上げ花火の形
チ 室内でできる花火
ツ 花火の値段とテレビ番組
テ 花火に使われる和紙
ト 花火を作っている人の苦労や工夫
ナ 市川大門町の花火屋さんの数
ニ 神明の花火大会

 大規模校でグループ単位のテーマ学習を仕組むと多様な追究課題が期待できるよさがあります。その反面、単発的な取り組みにななりやすく、さらに新たな追究課題を仕掛けるのが難しくなります。つまり1回取り組むと後が続かないということになってしまうのです。
 この問題点を克服するためには、関連することや発展的なことがらを先生が見極めておかなければなりません。思いつきの手だてになってしまいますが、例えば、「富士山」や「花火」をキーワードに人の関わり、文化の関わりを想定して、深めたりふくらませたりすることができるのではないかと思います。いくつかは、Web公開されている中に登場してきますが、まだまだ余白は埋められそうな気がします。
 そして、もう一つ先生が配慮しておくこととして、1年目でどこまでが明らかになって、どの追究課題に余白があるかを把握することです。子どもたちに説明して伝える必要はありませんが、目の付け所を助言するためには、必要なことでしょう。

 取り組む子どもが代わっても、指導する先生が代わってもテーマ学習は延々と続けてこそ意味があります。それは、一つのことを追究すると、いとも簡単に結論や結果が出せないんだな、という学びの過程を学ぶことにもなります。まさに、打ち上げ花火のように次から次へと新たなものを打ち上げ続けるわけですが、上げているものは「花火」で一貫していることが肝心です。これが、「打ち上げる」で一貫性を持たせようとするとちょっと苦しいでしょう。