実践事例を見る(21)
 「総合的な学習らんど」のWEB上に紹介している学校のリンク先をたどりました。
学校名 金沢市立明成小学校
所在地 〒920 石川県金沢市瓢箪町5-48
URL http://www.kanazawa-city.ed.jp/meisei-e/top.htm
電話 TEL:076-231-7438 FAX:076-231-5599
学年 3,4,5,6学年
テーマ
「H14.3学年 出会い・ふれあい・夢いっぱい・明成」
「H14.4学年よみがえれ!きれいな水の浅野川」
「H15.5学年 友禅体験」
「H15.6学年 明成省エネプラン」
カテゴリー 地域、環境、福祉、伝統工芸

 石川県の各小学校を見ていますと、地域素材や環境、伝統工芸、健康、食など身近な素材をきちんととらえた実践が多く見られました。リンク切れも少なく、継続性という点でも各校の努力の一端が伺えました。
 平成13年度あたりから平成15年度にかけての実践がWeb公開されています。明成小ならではの特徴的なこととして、5、6年生は個人のまとめが閲覧できるようにしてあります。単なるメモではなく、何をして、どんな思いを持ったかがよく分かるまとめでした。
 どうして、このような取り組みが可能なのか謎解きをしてみました。一番のきっかけはオープンスペースを配した学校だからではないかと考えました。以下に学校のビジョンを示した記述を引用しておきます。

 感動と創造の教育は本校の教育理念・教育目標であるとともに、学校研究を推進していく上での研究主題としても掲げております。本校では、学校生活すべての営みを通して、豊かな人間性と生きる力を培う全人的な教育をねらいと考えています。
 二十一世紀を担う子供たちが多様に変化するこれからの社会において、個性を発揮して主体的に生きていくためには、また、生涯にわたって意欲的に学び続けていくためには、自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの資質や能力を身につけることが必要となってきます。
 そのためには、子供たち一人一人が主体的に問題を追求できるとともに、お互いのよさを認め合い高まり合うことのできる「個が生きる学習」が必要と考えます。


 かつて、私もオープンスペースを配した学校に6年間いました。基本的には、上記と同じ考えで、学習の個別化、個性化を求めてきました。教室の概念を崩すような空間がたっぷりの学習環境を得ると、先生は既成の概念を崩して、新たな試みをするしかありません。もしそれを拒めば、オープンスペースのしきりは通常の教室の位置に移すしかありません。岡山県内にもかなりの数のオープンスペースを配した学校がありますが、しきりが普通の学校のようになってしまっているところがあるのではないかと気になるところです。
 先生の意識を変えない限り、総合的な学習の時間のねらいは達成することができません。子どもを主体者にした指導法に変えるという意識改革です。オープンスペースの有効利用も同じことを要求しています。
 では、指導法を変えるにはどうしたらよいか。先生自身が気づくしかありません。他の先生に言われて気づく先生もいるでしょう。先生自らが自身を振り返って気づく先生もいるでしょう。子どもを変えたいと思って気づく先生もいるでしょう。現状に満足したり、振り返っても改善すべきことが見付からなかったりするようでは、意識を変えるところにまで辿り着けないだろうと私は考えています。