実践事例を見る(16)
 「総合的な学習らんど」のWEB上に紹介している学校のリンク先をたどりました。
学校名 市川市立大野小学校
所在地 千葉県市川市南大野1-42-1
URL http://www.ohno-syo.ichikawa-school.ed.jp/total/tot.html
電話 TEL:047-338-3000 FAX:047-338-3001
学年 3,4,5,6学年
テーマ
掲載なし、2003年11月総合学習公開研究会
カテゴリー 地域、食、環境、福祉

 千葉県内の紹介されている該当ページはリンク切れが多く、学校のトップページから当たってみました。大野小学校は昨年秋に研究発表をしています。その中でまとめ上げられた研究の重点や基本姿勢は参考になると思いましたので、以下に引用します。

<研究の概要>
つぎの4点に重点をおいて研究を進めています。
1.創意あふれるカリキュラム・デザインつくり
  ・創意ある教材の開発
  ・総合的な学習の時間と各教科との有効な関連
  ・必然性あふれる切実な学びの推進
2.学習企画書
  ・教師の思いを込めた学習企画書
  ・全職員のITリテラシーの向上
3.授業実践の多様化
  ・学年活動から学級活動の充実
4.総合的な学習で求める力(評価方式の研究)
  ・学習スキルの基本モデルの実用化
  ・学習指導要録の記載の共通化
  ・評価基準表の作成
  ・保護者への積み重ねのある評価(説明責任)
  ・児童用ポートフォリオの充実

<校内研究に対する基本姿勢>
*教師の持ち味、専門性を生かす
教師の実践的なスキル・アップの機会とする。
  ・校内講師を活用する。
    自分の持ち味を全職員に。
  ・選択型授業研究の推進
    創意あふれるカリキュラムデザインによる授業の推進
    学習スキルの基本モデルの実践研究の推進

 18学級以上の大規模校のようですから、組織的かつ主体的な校内研究の基本姿勢を打ち出しているのが特徴です。同学年に複数の学級がある場合は、工夫が要求されるところです。学年単位の活動から学級単位に展開したり、校内講師を活用したりする実践研究は、ばらばらになりやすい取り組みを改善する優れた方法だと思います。この方法は大規模校に限定されたものではありません。小規模校にも適用できる方法です。異学年全体で活動を仕組んで、各学年に展開していく方法があります。学年が異なっても、優れた実践を展開している担任の先生を講師にして実践の手法を他の先生が学ぶこともできます。
 ただ、すべての先生が共通の土台に立つことは欠かせない条件になると思います。上に引用した1,2の部分が欠かせない条件です。創り出すことを合い言葉に実践研究を進めないと実現は困難でしょう。「学習企画書」という目新しい造語が登場していますが、授業づくりをしていく先生側の用語として広がることを期待します。指導案と違う印象を与えることで、先生方の意識を揺さぶるのではないかと思うのです。

 全貌が見えないままの実践紹介を見ていて、今までにない特徴が一つ見付かりました。地域や環境を取り上げるとき、ついつい外に目を向けやすくなるのですが、大野小では足下も視野に入れていました。地域の中に学校はありますから、外から学校を見直してみると問題意識を動かすことができるという実践でした。
 私も福祉教育の中で点字の案内板を作ったり、スロープを作ったりするという展開は紹介しましたが、学習環境を自分たちの手で改善していく活動は興味深いと思いました。