実践事例を見る(15)
 「総合的な学習らんど」のWEB上に紹介している学校のリンク先をたどりました。
学校名 赤城村立南雲小学校
所在地 群馬県
URL http://www.edu-c.pref.gunma.jp/gakko/syo/nagumoe1/home.htm
電話 TEL: FAX:
学年 3,4,5,6学年
テーマ
3年ヒメギフチョウに会いに行こう、花いっぱいの学校、秋のスペシャルコンサート、南雲小レストラン、英語の先生となかよしになろう
4年ヒメギフチョウに会いに行こう、沼尾川を調べよう、環境を大切にしよう、健康な生活をしよう
5年ヒメギフチョウに会いに行こう、心のバリアフリー、日本人の主食である「ごはん」を見直そう、英会話
6年モロコシ山の動物地図を作ろう、自然や環境を守る、心をふれ合わそう、リサイクル活動、健康な体をつくろう、外国の様子を学ぼう
カテゴリー 環境、福祉、健康、国際

 小規模校の特性と地域の自然環境を生かした実践が継続していました。多くの学校が、総合的な学習の時間の創設に伴って新たな中身を構築しようと考えたと思います。何か新しいことをしなければならないという思いが先行したからでしょう。
 しかし、学校裁量の時間や教科の時間を運用して、教科の枠外の学習活動を仕組んできた学校にとっては、おあつらえ向きの時間が設定されることになったわけです。これまでの位置づけを総合的な学習の時間の趣旨にそって組み替えるだけで実践が受け継がれています。WEBページを閲覧していて、南雲小もその事例になると思いました。
 年間計画に掲げられた一つ一つのテーマは丹念に紹介されていませんが、大きなカテゴリーで活動は紹介されています。つまり、総合の実践が前面に出るのではなく、環境教育や福祉教育の実践として紹介されているということです。テーマに沿った学習をきちんととらえるとこのような形が本来の姿でしょう。既成の教育分野のカテゴリーがあれば、総合的な学習の枠組みはその中に取り込まれてしまいますから、自然な流れです。
 地域性のある特徴的なテーマは、「ヒメギフチョウ」です。平成9年頃から現在に至るまで保護活動を含めて継続していますから、この実践は地域や学校の宝になり、子どもたちも誇りを持って取り組んでいることと思います。

 総合的な学習の時間は流行の座を降りてしまい、学力向上や英語学習に変わってきているのが現状です。しかし、年間100時間少々の割り当ては変わっていません。手抜きすることなく、そして、他の教科に時間をすり替えることなく取り組んでいただきたいと思います。

 実践校巡りはまだ半分も達成していませんが、読者の皆様に極力役立つ学校を選定して、紹介していきます。