実践事例を見る(10)
 「総合的な学習らんど」のWEB上に紹介している学校のリンク先をたどりました。
学校名 本荘市立新山小学校
所在地 秋田県本荘市
URL http://www.shinzan.honjo.ed.jp/index.htm
電話 公開なし
学年 3,4,5,6学年
テーマ
3年「ふるさと発見」
4年「4年○組環境調査隊」
5年「広げようあたたかい心」
6年「みんな地球人 」
カテゴリー 地域、食、環境、ボランティア、国際理解

 「かがやき学習」という名前で計画、各学年別のテーマは平成14年度のものが掲げられています。特色ある事例として、異学年グループによる活動が「レッツゴー!松ぼっくり探検隊」という名称で紹介されています。
 学年別の年間指導計画を拝見していますと、共通しているのが単元の終末に発表会を設定していることです。締めくくりをするという点では、優れています。しかも、小単元ごとに小さな発表会、報告会が仕組まれていますから、内容の移り変わりを先生も子どもたちもつかむことができます。行事としての学習発表会が2学期に仕組まれているような学校では、柔軟に計画の変更をしていく方が、計画にあったものになりそうです。
 もう一つ注目したいのは、指導と評価の観点です。2学年の括りで示されていましたから、以下に引用させていただきます。

 <3,4年生>
(ア) 学習課題を見つけ,みんなで学習計画を立てる。
(イ) 資料や情報の中から必要なものを選んで調べる。
(ウ) 他の学習の学び方を生かして学習を進める。
(エ) 地域や人,自然と関わりながら学習を進める。
(オ) 学んだことをまとめ,わかりやすく表現する。
(カ) 学んだことを他の学習や生活に生かそうとする。
 <5,6年生>
(ア) 学習課題を見つけ,自分なりの学習計画を立てる。
(イ) 自分たちで探した資料や情報を活用して調べる。
(ウ) 他の学習で学んだことを生かして学習を進める。
(エ) 地域や人,自然と積極的に関わりながら学習を進める。
(オ) 学んだことをまとめ,工夫してわかりやすく表現する。
(カ) 学んだことを他の学習や生活に生かす。

 発達段階を考慮した構成になっています。これをもとにして単元の計画の中に具体的な評価場面を入れています。
 年間指導計画と実践事例を見る限りでは、1年間の学びの様子がよくつかめ、目標達成の筋道がつかみやすい優れた実践になっていると思います。

 問題点をあげるとすれば、この後、2年目、3年目と経過するに従って、年間指導計画がどのように変わっていったか、明らかにする必要があります。同じことの繰り返しで、新たな追究課題や深まりが続いているのか、投げかけようによって方向が変わることがあったのか、そのあたりの様子が知りたいところです。
 子どもたちは学年を追って成長し、先生は異動によって入れ代わる現実は、どこの学校も同じでしょう。それでも、年間指導計画がきちんと機能することが要求されているわけです。