実践事例を見る(8)
 「総合的な学習らんど」のWEB上に紹介している学校のリンク先をたどりました。
学校名 花巻市立花巻小学校
所在地 025-0075岩手県花巻市花城町5番13号
URL http://www.city.hanamaki.iwate.jp/hanasho/syoukai15.htm
電話 tel0198−23−2376
fax0198−23−2377
学年 3,4,5,6学年
テーマ
H11,12
3年「やさしい町だね ぼくらのイーハトーブ」「住みよい町 やさしい町」
4年「賢治さんへのはじめの一歩」「とびだせ、花小キッズエコクラブ」
5年「オリザ(稲)をさぐろう」「賢治さんの世界へようこそ」
6年「ぼくらの花巻物語」「我が町 花巻をさぐる」
カテゴリー 地域、環境、福祉

 主題設定の理由として次のように述べられています。

  本校は、宮澤賢治の母校であり、賢治の存在は、わたしたちの大きな心の支えとなっている。そこで、賢治を育んだ、地域の人・自然・文化 などの恵まれた環境に着目しながら、豊かなふれあいの場をより多く持ち、かかわりを深める中で「ふるさとの心」を識り、「今に生きる自分」を自覚しながら、未来への夢を育んでいくことは大きな意味がある。このようなことから、地域に根ざす総合的な学習活動の中核を賢治の「郷土を愛し世界に目を向ける心」「人を思いやる奉仕の心」「自然と共に生きようとする心」に求め、具体的実践を通して本主題に迫ろうとするものである。

 各学年のテーマを見ても分かるように、地域の特色を絞り込んで地域学習を組み立てており、社会科との関連や横断的な扱いが伺えます。あわせて、地域の人材も内容に応じて活用されていますから、人との関わりもねらいどおりです。
 6年生の内容は注目に値しますが、どのような計画で社会科の歴史学習と絡んでいるのかは分かりません。社会科の歴史学習に連動して、自分たちの住んでいるところで何が起こったのかを知ることは、大切にしたい視点です。社会科の教科書で学習する歴史の内容はごく一部の出来事に過ぎません。身近な地域の中の歴史を学ぶことは、自分の存在を確認することにもつながっていくでしょう。

 その後の総合的な学習の時間の展開は、学力向上フロンティアスクールの事業に取り組まれたため公開されていません。WEB上で公開されていないから、学びの活動がうやむやになっているとは限りません。せめて、取り組んだテーマが毎年積み上げられていくと、着実に学びが根づいているという実感がわきます。
 長いスパンで取り組む学習ですから、一過性に陥りやすい実践現場の意識を変えることは意味があることと思います。学力向上フロンティア事業を受けたとたんに、総合的な学習の時間について校内研究で得た成果を引き継ぐことができていない学校もあるのが現実です。研究はきりをつけて終わることがあっても、総合的な学習の時間での学びは終わることなく続いています。