実践事例を見る(4)
 Yahoo!Japan 「総合的な学習 実践」のキーワードで検索しました。
学校名 山口県豊浦郡菊川町立楢崎小学校
所在地 750-0322 山口県豊浦郡菊川町大字楢崎215番地
URL http://www2.ocn.ne.jp/~narasyou/
電話 TEL 0832-87-0164
FAX 0832-87-3282
学年 3,4,5,6年生
テーマ 「大好き菊川」「ふれあおう菊川」「見つめよう菊川」「高めよう 菊川と自分」
カテゴリー 国際理解、情報、環境、福祉、健康などの横断的・総合的な課題

 研究指定を受けて実践している学校です。テーマには、4年間を見通してふるさとに学びながら、自分を見つめていくという大きな枠組みが設定されています。
 3年生では、地域の特産物であるそうめんを素材に展開されています。伝統的な食品に名水が関わっているのではないかという予想は、工場での聞き取りで意外な結果になったことが紹介されていました。名水から川に問題をつなげることができれば、4年生での川探検が連続的に見えてきますが、15年度の実践では5年生の「森の恵み」につながっているようです。原料にはふれられていませんでしたが、2年生段階の2学期を仕組めば、原料を作るところから手がけられそうだなと思いました。
 4年生では、地域とのふれあいをめざして、福祉体験から学習を組み立てています。この学習は、6年生段階での国際理解、ボランティア訪問、道路愛護ボランティアなどの取り組みにつながっています。
 研究全体の中で、一つの実践テーマに対する学習過程が共通するように考えられていますが、追究していく段階での新たな課題がどのように扱われるのかは謎です。テーマの中で一定の完結をめざしているのだろうかというのが、率直な疑問です。

 Web上での実践紹介では、どうしても体験や活動の一部が紹介されてしまいますから、問題を投げかけた時の経緯や子どもたちが学び取った内容をつかむことは困難になります。点が線でつながっている実践ではないかと想像しても、それを実証する子どもの声や考えがまとめられていないという点では、実践を公開する上での工夫がいると思います。
 実践の主体者が先生である限り、子どもたちの充実感、満足感だけを手応えにしやすい傾向があります。逆に、子どもたちが学習の主体者になれば、子どもたちの反応や考えが尊重され、断片的でない考えの筋道が見えて来るでしょう。
 さらに、時間軸としての縦の流れがつくと、思考の過程で出てくる横の広がりを束ねていく実践が増えてくると思います。都合のよくない考えを切り捨てるのではなく、子どもたちにいつ、どこで取り込んでいけるのかを説明して納得させる場面が生まれるでしょう。