人材活用の困りごと
 地域の有能な人材を活用している学校は多いと思います。先生に持ち合わせていない専門性は貴重なものと言えます。でも、落ち着いて考えてみてください。専門家=よき指導者とは限らないこともあります。逆に経験豊かなよき指導者もいるわけです。

 地域の人材と先生と子どもたちとが、信頼できる人間関係になっていないとできないことは言うまでもありません。先生にとって好都合だから、外部講師にとっても好都合、子どもたちにとっても好都合とは限りません。役割がはっきりしていることが大事だと思います。

 次に、どんな目的で指導して欲しいかを事前によく打ち合わせておかないといけません。内容だけの確認で、さあどうぞと踏み切ったら、予定外に延々と進められるということにもなりかねません。
 お飾りづくりの方法を安易にお願いしたら、材料を全部用意して、手ほどきのつもりでやって見せ、子どもにやらせるとできず、結局お願いした人が皆作っちゃったという結末もあるのです。

 時間がどれぐらい使えるか。毎年恒例になるのか。今回限りで終わりなのか。謝金が出せなくても了解していただけるか。来校時間はいつでもよいか。等々細かな調整をしておかないとそれぞれの思いこみでことが運ぶ危険があります。
 学校側の面倒見に気をよくして、噂を聞きつけた別人が是非私にもやらせて欲しいと打算的になることだってあるわけです。

 指導のプロとして主導権だけは手放せないなと思うのが、これまでの経験から言えることです。学びたいというニーズがしっかり子どもに定着していたら、こんな心配は無用かもしれません。