総合的な学習中のしつけ
 あちこちで中学校の先生から聞かされる話題があります。
 「生活科を学習した子どもたちになってからどうも勝手が違う。」「立ち歩いたり、話を聞かなかったり、好きなことしか集中しなかったりして、学習のルールが身についていない。」 
 生活科だけが原因ではないのですが、指導法の変化、学習形態の多様化に中学校の現場は立ち遅れていることも原因です。教師主導の「教えてやる」、「授業は一方的な講義」という先生が小学校以上に多いいと思います。子どもの主体的な学習への意欲を導こうと努力した結果は、一見わがままで、じっと座って我慢できない子どもになったようです。
 しかし、よく考えてみると上記の現実は結果責任のなすりあいにすぎません。ある集団のルールは指導者の力に他ならないからです。小学校で指導していたら中学校でできるというものではないはずです。集団を動かすルールを指導できない先生がいるから、学級崩壊などという造語がマスコミにでっち上げられたとも考えられます。なぜなら、指導者たる担任が別の先生になれば何もなかったように解決するはずです。

・子どもが先生を信用していたら、子どもは指示を素直にきく。
・集団を動かすルールは終始一貫しており、誰もが納得するもの。
・先生の都合で作ったルールは、信頼関係の上に成り立つ。

 子どもはこうあるべきだと言う先生は、自分では何も指導していないことになるでしょう。「授業中は立ち歩かない」というルールはどこの学校でも通用しそうです。でも、子どもにとって立ち歩かない方が自分にとっても相手にとっともよいことだという認識があってのことです。総合的な学習が始まっても、集団を動かす学校のルールは変わりません。おろそかにすれば、脅迫的なルールの押しつけが増えると心配します。