子どもをあやす手だて
 新聞ネタになったこともある話題なのですが、本当に今の若い世代のお母さんもお父さんも子どもをあやすということをしなくなりました。人が集まるところに子どもを連れて出たときにてきめんあやす手だてがないのだろうと思うことがよくあります。おもちゃを持たせる、テレビを見せる、食べ物や飲み物を与える、この程度の対応しか知らないのではと思ってしまいます。
 あやすのは決してご機嫌をとるのが目的ではありません。退屈させないようにするために相手をするとともに、コミュニケーションをとって精神的に満足感を与えることが目的になります。ですから、笑顔や一生懸命集中しているという姿が、うまくいっている証拠だと自己判断できます。もっと簡単に考えるなら、喜んでいたらいいのです。無制限にきゃっきゃっとはしゃいでもいいというものではないところが、ちょっとした制限でしょう。場所と周囲の状況を判断して、ルール違反に対しては示しをつけることです。
 では、具体的にどんなあやし方があるのか、思いつくだけあげてみたいと思います。絵本や童話を読む、または、読み聞かせる。歌をいっしょに歌う。話しかける。指遊びをする。くすぐる。お絵かきや落書きをする。折り紙をする。身近な転がるもので遊ぶ。音の出るもので遊ぶ。空気が入った風船で遊ぶ。おんぶをする。パズルをする。カードで遊ぶ。親子体操やストレッチをする。あやとりをする。・・・要は、ものがあってもなくてもあやすことができるかどうかです。
 つぎに必要なことは、むずかる原因を察知する力を磨くことです。言葉がはっきりしない年齢のころは、特にコミュニケーション能力を大切にしたいものです。おなかがすいている。のどが渇いている。おむつが汚れている。体の調子が悪くなりかけている。いらいらしている。眠たいのに眠れないでいる。じっとさせられていたため、退屈している。疲れている。・・・などです。これらは先回りして、そうならないようにすることではありません。ぐずりだしたときに的確な判断を下すことで、親子共々対応能力がアップします。