メダカの学校のススメ
 「すずめの学校」では「○○しなさい!」という厳しい口調。「めだかの学校」では「だれが生徒か先生か」というなごやかな雰囲気。今の学校は「めだかの学校」になっているという新聞記事がありました。先生と子どもの関係から厳しさがなくなって、友達関係のようになった話を聞いたのは10年以上も前です。先生と親との関係も確実に変わっていますし、それよりも先に親子関係は変わってきています。「昔はよかった」壁をつくるのではなく、人間関係の変化に教育(家庭教育、学校教育、社会教育)の場も変化する必要があるでしょう。
 では、家庭ではいかがでしょうか。「片づけなさい。」、「いつになったらテレビゲームをやめるつもりなの。」などと「すずめの学校」ふうになりがちではないでしょうか。たまに大きなかみなりが落ちると効き目がありますが、常に同じ調子だと効き目もなくなります。相変わらず厳しさに目が向いているのではないでしょうか。
 昔とちがって、我慢させる材料が少ないだけに、「めだかの学校」ふうに接することで効果が上がることも多いと思います。「いっしょに片づけしようか。」、「かなり長くゲームしているようだけど、目は疲れてないかな。」などと、子ども自身の判断を促すわけです。実行に移すためには、基本的に心のゆとりが必要です。我が子を見て、「この子はまずいことをしているな」と冷静に受け止めることから始まります。
 この方法については、誤解を招きやすいところがあるので注意してほしいと思います。決して子どもの要求に何でも迎合してしまってはいけません。社会のルールや家庭で決めたルールは、一貫して白黒はっきりさせることが大切です。きわどいものもありますので、冷静な自分の考えを持っておいてほしいところです。
 例えば、「うそをついてはいけない」というちょっとあやしいルールがあります。「いけない」といいながらどこにでも、だれにでも覚えのあることでしょう。「うそをついたことはありません」という言葉がすでにうそになっていることを見抜かれたときは、言い訳やごまかしはよくありません。例え子どもが相手であっても、本音部分の生き方が相手に伝わることは人間らしいと思うのです。正義感だけでは生きていけません。