これから子どもを生む方へ
 子どもを生んでしまった人で、我が子が4歳以上になっていたら、読まないでください。悔しさと悲しさともう手遅れなのかという焦燥感におちいってはいけませんのでお断りしておきます。
 子育てが大変なのは、親の過剰な期待、他人と比べて不安がる、親のわがままからくる身勝手さ、子どものためにと思いこんで過干渉、責任の放棄などなど多様な原因があるでしょう。だいたい親が子どもをどう育てたらよいか、勉強しようとしないのが一番よくないのです。

 親が子育てについて、基本的な認識を持っていたら、とても将来が安心できるといえます。


1 最低1歳までは、親の愛情と精神的な安定さが要求されます。

 これは、吉本隆明も主張していることです。家族間の喧嘩。経済的な自立に失敗して生活が不安定になる。他人と比べて遅れを見つけてはかりかりする。すべて、ゆがんだ子どもを育ててしまうことになります。後に、これらを克服しようと思うと大変な努力と精神的な寛容さが要求されるでしょう。

2 3歳までは、大人と同等の人格完成の時期です。

 基本的に、生活様式、性格、判断力、対人関係調整能力などが形成さ
れてしまいますから、自立を促す対応をしていないとゆがんだ、いびつな人格ができあがってしまいます。3歳までに90パーセント以上が身に付いていると考えられます。あなた自身の3歳までの情報を親と自分から集めてみれば納得いただけると思います。
 具体的に一つずつこれはこうしなさいと言える方法を示すのは困難です。要は、親の価値観が決定的な要素になります。教えるべきルールは教え、判断させるべき事柄は子どもに決めさせるわけです。すべて親が結論を示すやり方は最も危険な方法でしょう。なぜなら、あなたはどこまでいってもあなた。子どももまたしかりです。